秋の日の二条城
すっかり秋めいて、澄んだ青空が広がる。
秋風にいざなわれ、二条城までぶらりと出かける。
二条城は堀川通りに面し、正門にあたる東大手門前には修学旅行生の姿が後を絶たない。
二条城は京都に17ある世界遺産のうちの一つ。
江戸幕府初代将軍、徳川家康が築いた城であり、最後の将軍・徳川慶喜を大政奉還したのも、ここ二条城です。歴史の大舞台に胸が踊ります。
まず、正門である東大手門を入ると右手に武士たちが宿直や警護をする番所という詰め所があります。かつて二条城には12もの番所があったが、残っているのはここだけです。
また、現存している番所は全国でも江戸城や丸亀城など僅かであり、貴重な建物。
順路に沿って進むと壮麗な門が。ここが二の丸御殿の入り口であり、重要文化財の唐門。
寛永年間に後水尾天皇が行幸する前年に建てられたもので、屋根の前後に、優美な曲線を描く「唐破風」が付けられていることから唐門と呼ばれ、格式が最も高いものです。
柱から上には鶴や亀、松竹梅、蝶に牡丹など長寿や吉祥を象徴するものが彫られています。
他にも龍に虎、唐獅子等の彫刻もありますが、これらは聖域を守る霊獣と考えられていました。
とても凝っており極彩色が施され壮麗で、当時の技術、文化、芸術性の高さがうかがわれます。
唐門を内側から見るとこんな感じ。
唐門をくぐると二の丸御殿が。
二の丸御殿内は写真撮影禁止なので、画像はないのですが、襖絵は豪華絢爛でその迫力には圧倒されます。
廊下はうぐいす張りで、歩くとキイキイときしむ音がします。
うぐいす張りって小学校の社会科の時間に習いましたね。
でも、このうぐいす張りって風流をねらったのかと思えば、そうではなく釘の向きによる副産物だそうです。
来訪者が待つ部屋の大きな襖に描かれているのは何匹もの大きな虎です。
虎にまじって豹もいます。
これは、訪問者を威圧し、徳川家の権威を示すためのものだそうです。
確かに、そんな部屋で四方を虎に囲まれて過ごすと圧倒されて縮こまってしまいます。
襖絵はこの他、松や四季を表す草花などがありますが、相手との関係性によって部屋の襖絵の絵柄が異なります。
松は昔から長寿や繁栄の象徴であったことから、襖絵として好まれて描かれたようです。
これらの襖絵を描いたのは狩野探幽をはじめとした狩野派の画家です。
狩野派の手掛けたものはいろんなところで目にしますが、目を見張るほど迫力があります。
二の丸御殿を出ると、特別名勝に指定された二の丸庭園があります。
後水尾天皇の行幸に合わせて、小堀遠州のもとで作庭されたものですが、多数の岩が廃された様は何とも不思議な空間です。
川の流れに松と岩を配した日本庭園。
さて、本丸御殿は現在、改修工事中で見学はできません。
お濠には鯉がたくさん。そして、大きな石垣。
さて、二条城にはお抹茶を頂ける場所があるとのこと。
これは楽しみ! 半ばこれがお目当てで二条城に来たのですが。
場所は、二条城内にある茶室「和楽庵」にある前田茶房さん。和楽庵は角倉了以の屋敷の一部と、その庭園の池石約800個を元にして作られた建築物で、ここでお抹茶を頂きながら清流園という和洋折衷の庭園を眺めることができます。
お抹茶以外にも、シフォンケーキや珈琲などもありましたが
私はお抹茶。それも、ここでは抹茶体験ということで自分でお抹茶を点てられるので私も挑戦してみました。(希望したらお店で点ててくれます)
生菓子を入れた器がとても素敵です。
お抹茶も見事泡だてることができました。
生菓子は三色団子と菊型の生菓子。一番右はとっても小さなさつま芋。
季節感いっぱいで秋らしい。甘くてとても美味しかった!
ごちそうさまでした。