松花堂庭園のお茶席
日曜日に八幡市の松花堂庭園へ行ってきた。
松花堂庭園は石清水八幡宮の僧、松花堂昭乗が隠居後に住んだ草庵・松花堂を擁する庭園。
松花堂昭乗は江戸時代、寛永年間の僧であり、茶人、芸術家、書家でもありました。
現在、よく知られている「松花堂弁当」は、松花堂昭乗が好んだ四つ切の入れ物に由来しています。
さて、一昨日ここを訪れたのは、日曜茶席があり一般の人、初心者も参加できるということでお邪魔しました。まずは庭園内を散策します。
人けもまばらで緑に覆われた落ち着いた石畳。
いろいろな種類の竹や椿の木が植えられています。


池には鯉がたくさん。
なんだかしコイキングのようなヒレの大きな鯉がいるんですよ。形からしたら巨大な金魚というべきか。でも大きさは鯉なんですけどね。写真の白い鯉。




葉っぱだけでは、睡蓮との違いが分かりませんが、睡蓮はピンクや白で花びらがたくさんあり豪華な花を咲かせ、アサザは小ぶりの可憐な花を咲かせます。
この状態だと、一見どちらかわかりませんが。
庭園にはいろいろな植物がありますが、竹や椿の種類が実に多かったです。
そして、茂みからは鳩の鳴き声がしてのどかです。
これは「ハチク」という竹なのですが、「破竹の勢い」と何か由来があるのかと思いきや、関係ありませんでした。😞
ただ、竹は、一節割れ目を入れると、次々に割れて行くことから、破竹の勢いという言葉の由来になっているようです。竹全般の話ですね・・・。
●茶室「梅隠」
千宗旦好みの茶室を、古図に基づき茶室、数寄屋建築研究の第一人者である中村昌生先生が再現したもの。中村昌生先生は2018年に亡くなられましたから、今は亡き先生が再現された貴重な茶室ですね。
●茶室「松隠」
松花堂昭乗が住職を務める瀧本坊に小堀遠州が建てた茶室「閑雲軒(かんうんけん)」を古絵図(茶室おこし絵図)により再現した茶室。
松花堂昭乗と小堀遠州は姻戚関係にもあり、二人の間には深い交流がありました。
この茶室は1700年代に焼失したのですが、こちらも中村昌生先生が閑雲軒を訪れた茶人たちが書き残した絵図から復元されたものです。
遠州好みでもある多くの窓を有し、この茶室にも天井の突き上げ窓も含めて10もの窓があります。
10月11月は日曜日に一般の人向け(初心者OK)に茶室「竹隠」で茶席が開かれています。
この日曜茶席は春と秋にしか行われていないのですが、日曜日はこれがお目当てで来ました。
室内は撮影禁止なので写真はないのですが、生菓子は秋らしく柿を象ったもの、そして目の前でお点前をしていただきました。
袱紗さばきや釜から湯を汲み、お抹茶を点てられる様に伝統ある日本文化の歴史を目の前で拝見しているようで、とても興味深いものでした。


あまり人がおらず、一人だったらどうしよう(汗)
と思ったのですが、すぐにお一人入られたので二人でした。
でも、先生がとても優しく、話しやすい方で、こちらも初心者のまま気負うことなく、お話できました。また、ポツポツと茶席希望の方が来られるので、私の心配は取り越し苦労でした。
このお茶室も窓がたくさんあり、ほの暗い四畳半の畳に座り、窓から漏れる陽の光を感じ、明明るい庭園を眺めるのは、とても心が落ち着きます。
茶室で隔てられた内と外といいますか、静寂と陽の2つの世界を感じます。
お店でのお抹茶体験もよいですが、こうしたお茶室でお茶をいただくのは、また格別です。
みなさんもいかがでしょうか。
日曜茶席は11月まで開催しています。
10月2日・16日・23日・30日 開催予定
https://shokado-garden-art-museum.jp/top/event/teaceremony/


庭園にはいたるところに井戸がありました。