北野異人館 ~ 洋館長屋(仏蘭西館)
英国館の次は、隣の洋風長屋に入ります。
🏠洋館長屋(仏蘭西館)
英国館のお隣にある洋館長屋。
向かい合った2つの玄関をもち、建物は左右対称。
明治時代に建てられ、2世帯が暮らせる外国人向けのアパートとして使われていました建物です。
展示されているのは、ナポレオン時代の家具や19世紀末の調度品、アールヌーボーの旗手エミール・ガレのガラス工芸品等、フランスの美術品を展示しています。



2階に上がると片隅の小さな部屋にルイヴィトンのスーツケースが。
19世紀末のものです。このスーツケースを使って日本へと航海してきたのでしょうか。
部屋にあるのは燭台付きのピアノ
これは、19世紀初めパリで製作されたもので、鍵盤の数は今より1オクターブ少なく73。
この館にはアール・ヌーボーの工芸品が数多く展示されていますが、アール・ヌーボーとは、19世紀末から20世紀初頭にかけて、ヨーロッパやアメリカでおこった革新的な芸術活動。フランス語で「新しい芸術」という意味です。花や植物をモチーフとした、曲線を組み合わせた装飾性が特徴。
丸みを帯びていてその優雅さに見る人、使う人を優しい気持ちにさせてくれます。
しかし、1900年代初頭、時代は大量生産を求めるようになり、低コストでつくれる装飾性のないデザインのものが普及するようになります。
こうして、アール・ヌーボーは退廃的なデザインとして衰退していきます。
再びスポットライトをあびて再評価されたのは、1960年代に入ってからです。
そういう時期があったとは驚きの歴史です。


こちらは、モノクロの部屋。なんと「モナリザ」の絵もモノクロで描かれています!
どの部屋に個性があり、ここにいると不思議な感覚になります。部屋が何かを訴えてかけているような、主張をしているような気さえしてきます。




さて、次は隣の「ベンの家」に行きますが、それはまた次のお話で。
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